9月12日(木)、ローマ法王はバチカンによる「若者を再教育するための世界協定についての案」を発表した。発表に際して法王は、自身が2015年に発表した回勅「ラウダート・シ(邦訳副題:わたしたちの家を大切に)」に言及した。このラウダート・シの237条には、環境保護のために、特に日曜日を安息日として休むことが提唱されている。
今回の発表において、ローマ法王は「一人の子供を育てるには、村全体の協力が必要だ」というアフリカのことわざを例えに出して言った。「これは新たな団結、新たなヒューマニズムである。変化を起こしたければ、まずそのために教育しなければならない。村(=世界)全体が一丸となって、村(=世界)の子供たちを教育する必要がある。」
そして法王は、対象を”all people of the world, dialogue among religions”(邦訳「世界の全ての人々、宗教間の対話」)とした。これは聖書のヨハネの黙示録13章7節の「すべての部族、民族、国語、国民」を彷彿とさせる言葉である。また、この世界的な教育同盟をプロモートするため、経済、教育、スポーツ、政治、科学等、ありとあらゆる分野のリーダーたちに、来年5月14日にローマで行われる会合に出席するように呼び掛けている。
そして全ての人々に対し、自分たちのリーダーにローマへ行くように促してほしい、と法王は訴えた。バチカンが発表した記事には、会合への招集対象が”international organizations”(邦訳「国際的な組織」)と”great ones of the earth”(邦訳「地上の権力者」)とされている。この”great ones of the earth”は、ヨハネの黙示録18章23節の”the great men of the earth”(邦訳「(バビロンの商人である)地上で勢力を張る者」(口語訳))にとても良く似た表現であることは否めない。
法王は最後にこう宣言し、呼び掛けた。「わたしたちは未来の世代を教育します。これを撤回することはありません。この同盟に献身するように皆さん一人一人を招いています。会合は2020年5月14日にローマで開催します。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。私はすでに歓迎し、そして祝福しています。」
これは世界のリーダーへの、非常に直接的なアピールである。法王は、皆で集まって話し合おうと言っているが、皆が到着したときにはすでに同盟の契約書面は出来上がっているだろう。アジェンダ、場所、そして日時を設定する者が、その会合をリードする者であることは明白である。
クロスカトリックラジオネットワークのラジオ局で週1回放送されている「マザーミリアムライブ」のパーソナリティで人気のカトリックのシスター、マザーミリアムは、今回の発表を受けて次のようにコメントした。
「新たなヒューマニズムというものはありません。これは社会主義の独裁者の言うことと同じです。法王が提唱する世界教育同盟は、親から子供たちを奪い、モラルを低下させ、クリスチャンの教えを一掃する悪魔的なものです。法王を批判してはいけないという人もいると思いますが、私は法王が悪魔的だと言っているのではありません。彼の言うことが悪魔的だと言っているのです。法王は、キリストについて一言も触れていない、これはキリストの教えではありません。私たちの家は地球ではなく天国です。私たちは目を覚ます必要があります。そうしなければ、私たちは子供たち、そして私たち自身の命を失うことになるでしょう。」
カトリックの敬虔なシスターでさえ警戒するこの法王の呼びかけに、プロテスタント教会や教育界のリーダーたちはどう反応するのか?
《参考文献》NOW THE END BEGINS, Doug Batchelor facebook, Mother Miriam Live
《Top image credit: NOW THE END BEGINS》