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グリーンニューディールとは一体どんな内容なのか?

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短く言うと:

2030年までに米国国内での温室効果ガス排出量を実質ゼロまで削減すると同時に、再生可能エネルギー分野での雇用の機会を創り出し、社会的格差の是正を目指す。化石燃料など温室効果ガス源を100%排除し、米国全土におけるエネルギー供給をクリーンエネルギー、再生可能エネルギーで賄うことを目指す。

長く言うと:

ハリケーンや山火事などによる自然災害の脅威が世界的に著しくなり始めている。2018年のカリフォルニアのキャンプ・ファイヤー山火事などをはじめ、様々な「自然災害」とされているものが急激に将来に対する不安を駆り立てる中、これらの災害はほぼ温室効果ガスによる気候変動によるものだとする声が、特にアメリカを中心に急激に高まっているのが現状だ。

そのような問題に対抗するために現れたのが、米国などの若者の間で勢いが高まっている「Sunrise Movement(サンライズ運動)」 だ。彼らは学生などの若者で構成されるデモ集団であり、大学のストライキや街道でのデモ活動により気候変動に対する政治的対応を強く要求している。11月13日には、議場で答弁に参加する予定であったナンシー・ペロシ氏(カリフォルニア民主党議員)のオフィスに居座り、黄色のバナーを掲げてデモを行い、「Green New Deal(グリーンニューディール)」の創案のための委員会設立を要求した。その後この要求はニューヨーク民主党議員のアレキサンドリア・オカシオ・コルテス氏によって現実のものとなった――それが、現在のグリーンニューディールなのだ。

ワシントンポストはこの政策案の具体的な内容を以下のようにリストアップしている――全て10年以内に達成するのが、同政策案の掲げる目標だ。

  • 家族を養える賃金、家族の生活費と医療費のために十分な収入、有給休暇、そして退職保障制度を全てのアメリカ市民に保証する。
  • ①質の高い保険医療制度、②手頃で安全かつ不自由のない住居、③経済的安全、④清潔な水と空気、安価な食糧と自然を全てのアメリカ市民に提供する。
  • 教育の機会とトレーニング、そして質の高い教育(高等教育を含む)を全てのアメリカ市民に提供する。
  • アメリカ合衆国全土におけるエネルギー供給の100%を、クリーンで再生可能かつ温室効果ガス排出量ゼロのエネルギー源から賄う。
  • アメリカ合衆国全土のインフラストラクチャーを修復し改良する。汚染物質や温室効果ガスの排出を、技術的に可能な限り排除することも含まれる。
  • エネルギー高効率で広範囲、かつ「スマート」なエネルギー網を構築&改良し、電気の使用料を出来る限り安価にする。
  • アメリカ合衆国全土に存在する全ての建築物を改良、また新たな建築物を建造し、最大限のエネルギー効率と水源効率、安全性と入手しやすい価格、快適性、そして耐久性を実現する(電気を使用可能にすることも含まれる)。
  • アメリカ合衆国全土の交通システムを検査し、技術的に可能な限り汚染物質と温室効果ガス排出を交通網から排除する。①排出量ゼロの交通インフラストラクチャーと交通手段の製造、②クリーンかつ安価、そしてアクセスしやすい公共交通サービス、③高速鉄道網への投資を含む。
  • アメリカ合衆国全土において、クリーンな工場の著しい成長を促し、技術的に可能な限り工場や工業施設からの汚染物質と温室効果ガス排出を排除する。
  • アメリカ合衆国全土の農家や牧場と協力し、技術的に可能な限り農業分野における汚染物質と温室効果ガス排出を排除する。

以下の動画はサンライズ運動のペロシ氏のオフィスでのデモの宣伝映像だ。政治家たちに対する「STEP UP or STEP ASIDE(やるか、辞めるか)」というメッセージが強調されている。

ナンシー・ペロシ議員のオフィスでデモを行う学生たちに加わるアレキサンドリア・オカシオ・コルテス議員(YouTube)

このグリーンニューディールは大いに話題となったが、「働くのを嫌がる人々の経済的安全を保障する」という内容が含まれたものが報道された。オカシオ・コルテス氏は、複数の改変された種類が出回っていると主張し、本物の提出された案は「House Resolution 109」という番号付きのものであることを呼びかけ、そのような文言は実際に提出されたものには含まれていないと宣言した。出回ったものの中にはあからさまな偽物もあり、「男性はトイレではなく空のミルク差しに用を足し、日光により殺菌して飲料水としてリサイクルするべきである」などという面白半分な内容が含まれたものもあった。

「働くのを嫌がる人々の経済的安全を保障する」という内容の書類が出回っていた。ニュース専門放送局のCNBCはこれを冗談交じりに報道した。
「議会で承認された案にはそのような文言は含まれていない。オカシオ・コルテス氏は自身の顧問をリツイートし、Foxに文書自体が偽物であると呼びかけている。」

しかしながら実際、この法案の掲げる目標が果たして「現実的」であるかということは問題視されている――グリーンニューディールに対する共和党の支持はほぼゼロで、気候変動の脅威はもはや存在しないとも言われる程だ。オカシオ・コルテス氏とは正反対に、共和党側は気候変動はあくまでもデマに等しいものだと考えているようだ。ホワイトハウスと共和党はグリーンニューディールを「社会主義」として警告、またトランプ大統領は、「民主党員たちにとって、グリーンニューディールを推し進めるのは非常に重要だと思う。名ばかりの『二酸化炭素排出量』なるものが飛行機や車、牛、石油、ガスや軍隊を一掃したら、素晴らしいものだ――どこの国もそんなことしないだろうがね。天才だ!」とツイートした。

「民主党員たちにとって、グリーンニューディールを推し進めるのは非常に重要だと思う。名ばかりの『二酸化炭素排出量』なるものが飛行機や車、牛、石油、ガスや軍隊を永久に葬り去ったら、素晴らしいものだ――どこの国もそんなことしないだろうがね。天才だ!」とトランプ氏。

確かに専門家たちの意見は、2030年までに二酸化炭素排出量ゼロのクリーンエネルギーに完全に移行するのは不可能であるという結論に留まっている。実際、米エネルギー情報局によれば再生可能エネルギーによる供給は全米の18%に上っている。つまり10年前よりはマシになっているし、グリーンニューディールなどやらなくても既に十分な努力はなされているという反論が実際には強いのだ。

さらに問題とされたのは、 この法案が実際に施行された際のコストだ――共和党のマークウェイン・マリン氏らによると、グリーンニューディール実現のためにかかる推定費用はおよそ7兆ドル(日本円にして778兆円)である。貧困拡大にあえぐアメリカ国内で、このコストをかけてまで非現実的とは言えない目標値のために投資し、逆に社会的な格差を減らそうというのは、確かに大きな矛盾があるようにも思えるかもしれない。社会的責任を負っているはずの政治家たちにとって、これは確実に大きすぎるリスクであろう。

しかしながら、グリーンニューディールが掲げているゴールというのは実は単なるコストよりも先の話を見ているという。すなわち、今具体的な目標を掲げて急速に前進していかなければ、その代償は7兆ドルどころの話では済まない、という理屈である。

「考えるより先に行動せよ」と言う活動家たちと、「無理だ」という政治家たち。このギャップが解決される時は来るのだろうか。

議会のホームページで実際の法案(House Resolution 109)を参照できる。

《参考文献》Indian Country Today, The Washington Post, Trend News World, PV Magazine
《Top image credit》Senator Markey via YouTube

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ダグ・バチェラーによると、1844年以降は時の預言がないというのは間違い

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2018年末から聖書の「時の預言(特定の時に何か出来事が起こることを示す聖書の預言)」が論争の焦点となってきた。発端となったのは南米の牧師であり、米国テネシー州に位置するGospel Ministries Internationalの創設者であるデイビッド・ゲイツ氏がYouTube上で同年10月に投稿した「Even at the Door(戸口まで来ている)」という動画だ。同動画内でゲイツ牧師は、2015年9月23日(ユダヤ歴でぴったり大贖罪の日)にローマ法王フランシスが米国にやってきたのは、プロテスタント世界であるアメリカを宗教的に征服するためであり、これはAD66年にローマがエルサレムを包囲した出来事の繰り返しである――つまりエルサレムがぴったり三年半後であるAD70年にローマの再包囲によって滅ぼされたように、2015年9月23日から三年半後である2019年春にローマがアメリカを宗教的に征服し、ローマが作り出した日曜礼拝(日曜休業令、黙示録13章参照)を法的に強制すると主張した。

この動画の公開後、世界中から批判と称賛の嵐が起き、セブンスデー・アドベンチスト教会指導者の1人であるマーク・フィンレー牧師自らYouTube上に動画を公開し、公式にゲイツ牧師が間違いであると非難した。

ゲイツ牧師の主張がここまで論争となった理由は、そもそもセブンスデー・アドベンチスト教会は長いこと「1844年以降は特定の時を指定する預言はない」という立場を取ってきたからだ。すなわちゲイツ牧師が「2019年春に〇〇が起こる」と宣言したことが大いに火種となったわけだ。

しかしこの論争の中、なんと米国の宣教団体であるAmazing Factsの創設者、ダグ・バチェラー牧師が2014年に「時の預言は1844年以降もまだある」と公式に言っていたことが明らかとなったのだ。もし彼の指摘が正しければ、ゲイツ牧師が非難される理由はもはやなくなってしまうことになる。

以下は動画の13:27あたりを一部翻訳したものである(注:引用文の一部は既にあるものを使い、一部だけ筆者が英語の内容にもっと忠実な表現に修正している)。彼が言っていることによく注目してほしい。

さて預言の霊の引用文の中で、時々いくつか勘違いされているものがあります。ちょっと見てみましょう。バイブルコメンタリーの971ページから…スクリーンに出してみましょう。

『人々は特定の時について別の使命を持たないであろう。1842年から1844年までに及ぶこの期間の後には…』

彼女が言っているのは1844年で終わる2300日の預言のことですね。

『…この期間の後には、その預言的時を適用することはあり得ない。 』

さて『その(英:the)』というのは定冠詞ですね。一体彼女はどの預言的時のことを言っているのか?

『…最長の算定は1844年の秋に達する。』

多くの人がこの文章やこれとは違う形の文章を使い、「エレン・ホワイトはもうどの預言にも未来適用はされないと言った」と言ってしまいました。そんなこと彼女は言っていません!彼女が言っていたのは、1844年の日付を動かし続けて解釈し直そうとしていた人々のことです。そして彼女は、神はこの預言(2300日)に関しては1844年以降の期間はないと示された、と言っているわけです。分かりますか?正直、これを使ってそれ以降は時の預言はないなどと言うことは出来ないわけですよ!

YouTube動画より

有志のユーザーが投稿した動画はセミナーの一部分だけであるが、Amazing Factsの公式ホームページで実際のセミナーがフルで(英語の音声ファイルのみ)公開されている。気になる読者はぜひチェックしてみてほしい。

おすすめの記事:エレン・ホワイトが預言を未来適用している6つの引用文

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